Aug 31 • 25M

センシング2:スキーで説明すると

スキーを学ぶプロセスで考えると、センシングの意味がよくわかります

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※ 以下、音声の文字起こしです

toiee Lab 亀田 :センシングの続きを話していきたいと思います。前回までの続きを復習をします。センシングと呼んでいるのは、物理的なもので作業です。

センシングのやり方は、「感じようとする」。感じようとするためには、ちょっとだけリラックスをして、とにかく、自分が今どう感じてるか集中します。感じている、感じられていない、というジャッジはいらないです。そうすると、勝手に体がリラックスするので、それに任せてもっともっと細かいことにも感じられるように集中していきます。それがセンシングです。このときに人間の体は、適切な力み具合、リラックス具合、そして、神経の発達、脳の情報処理の発達を引き起こしてくれます。ちなみに、どうやって引き起してるかわからないんですよ。これについての研究とかは見たことないです。多分、無理っていうか、ほら、実験しようにも内面的なことなので難しいんです。あと、研究するにも、人間の脳がすごい一気に適用しているので、仕組みを捉える方法がないんですね。

MRIとか使っても、多分もっと細かいレベルで変化が起こるので、取れないんだと思うんです。でも、中身は分からないんですが、人間は、誰でもできるみたいな感じですね。センシングをもっと使っていくぞ!ということを、具体例を交えて今日は話していきたいと思います。

人に言われてやると、分からなくなる(スキーを例に説明)

toiee Lab 亀田 :スキーの例からいきます。僕がセンシングって、「これだ!」って分かったのは、スキーを始めたときです。大学院生のときに何か趣味でもしたいなとか思ってスキーを始めました。大学院生って、太るんですよ(笑)研究のために夜中まで起きて、夜にご飯を食べて、運動しないし、コンピューターを使う研究なので、部屋の中ずっといるみたいな。太るし、体にも悪いので、何か趣味を始めたいなということでスキーを始めてみました。

toiee Lab 亀田 :でも、スキーってあんまりいい思い出ないんですよね。高校の修学旅行で3泊4日でスキー合宿にいったり、親に連れていってもらってスキーをしたことがあったんですけど、うまくなったと思ったことがなかったですね。「こうするといい」「ああするといい」と、いろんなことを言われるけど、全然自分が正解してるか分からないんですよ。おっかなびっくりで斜面を滑り降りて、滑り終わったあとは、「ああ、転ばなくてよかった」みたいな感覚しかないんです。

toiee Lab 西 :分かります、その感覚。言われた通りにやって「そうそう、いい感じ!」とか言われるけど、自分では、良い、悪いの差が分からないことがよくあります。

toiee Lab 亀田 :そうそう、どんなときに何していいかもよくわかんないんですよ。こんなときは、どうするとかも分からなくなるわけですよ。そんな状態なのに、なぜスキーを始めたかというと、、

僕が所属した研究室は、毎年卒業旅行で1泊2日で北海道に行くんです。その時に、スキー場へ行ったら、すごい雪質が良かったんです。僕は、スノーボードではなくてスキーが好きだったんで、スキーをやったんですが、やっぱり転ぶんですよね。ふと周りをみたら、ショートスキーっていう短い板を入ってる人たちがいて、「あれなんだろう」「あっちだったら滑りやすいかな」って思って、ショートスキーに借り直したんです。で、誰も教えてくれる人もいないし、長いスキーとは何か違うわけですよ、手にストックを持たないし。短いスキーで滑る方法を、1人で実験し始めたんです。今まで、いろいろと人に言われたことを全部忘れて、「曲がるのってどうやって曲がるんだっけ」とか言いながら、探求してるうちにすごい楽しくなってきたんですよ。「スキーを趣味にしよう」って、思ったんです。

探求をして、やらされるではなく、好きになった

toiee Lab 亀田 :いろんな本を読んで勉強しているうちに、マルティン・グガニックという方の本に出会ったんです。その当時、世界大会があって、スピードを競うのではなく、美しさを競う世界大会で、そこで3連覇とかする人だったんです。オーストラリアかなんかの人だったのに、日本語も喋れるんですよ。

その人の本とDVDがあって、その内容がすごい良くて、スキーの話だけど研究の話をしてるのかと思わせる感じで、「スキーで一番大事なことは、楽しむことです」って言ってて、なんか好きだなと思って、その方の本を貪るように読みました。その人の説明の中に、こうしましょうっていうよりは、「感じて反応する」みたいな方法を紹介されていたんです。雪を押すんじゃなくて、雪から押してもらう感覚を感じるみたいな。教え方が既存のスキーの教え方と、全然違いました。

あと、当時マルティン・グガニックさんが日本で活動するときに仲良くしていた先生がいて、その人が今で言うセンシングの教え方をする人で、その方のブログも全部読んで練習ノートを作りました(笑)そして、「感じ取る」ということを意識して、ひたすら練習を重ねました。

感じ取るの第一として、例えば、緩い斜面で直滑降をします。足の裏にひたすらスキーの板の裏に雪がどんどん通っていくんで、それを感じます。緩い斜面で、ただ直滑降します。すると、最初はザラザラしてんなぐらいなんですけど、何回かやってるだけで、なんかめっちゃ細かく感じるようになるんです。いろんな人に実験すると、みんな直滑降を5、6回するだけで、足の裏の感覚が変わるんですよ。それだけで、みんな楽しいってなってるんです。

初心者が「感じる」を実践すると、すぐに上達する

toiee Lab 亀田 : ここがすごいポイントです。小さい子供がソリで滑るぐらいの緩い斜面を選んで、そこを、ただ力を抜いて乗っかってるだけで転がっていくわけですよ。サラサラするのを感じるっていうのを、ただ行ったり来たりするだけです。それをしているだけなのに、結構細かく感じ取れてるようなってるんです。斜面の端っことか行くと圧雪された硬い雪のところへ行くんです。そこで同じ要領で、雪のデコボコが多いので、デコボコを感じて見てくださいって言って滑ってもらうんです。

デコボコなんで、バランスを取ろうと思ったら膝をしっかり曲げたり伸ばしたり積極的にやらないと、体がジャンプしちゃうわけですよ。普通、初心者だったらバランスが取れなくて吹っ飛んじゃうんです。でも、みんなね驚くことに、ものすごく膝使うんですよ。本人たちは、膝使ってショック吸収しようとは思ってないんです。

雪の圧力を感じてるだけです。デコボコが大きかったら圧力がグンっとくるので、圧力を感じるために自然と膝の力を抜くんです。デコボコがなくなったら、雪を感じるためにちゃんと膝を伸ばすんです。もう僕何人も実験したんですが、カタカタカタカタってみんな膝をうまいこと使って滑るんです。

toiee Lab 西 : へぇー、何かイメージと違いました。例えば、雪が盛り上がってるとこがあったら、「膝を曲げるんやで」ってアドバイスをするのかなって勝手に思っていたんですが、そうじゃないんですね。

toiee Lab 亀田 : 言わずに黙って行かすね。横で、デコボコを感じろって言ったりしてます。膝を曲げろとは言いません。

toiee Lab 西 :そこがなんかびっくりしましたなんか、それがセンシングの凄さかって今わかった気がしました。

ボーゲンは、みかんを踏んづけるイメージ

toiee Lab 亀田 :ある程度「感じる」ができたら、次は、ボーゲンの練習をします。足をハの字にして戻すを繰り返す滑り方です。その時の練習のイメージは、みかんを踏んづけているイメージです。

これは、ブログのおじいちゃん先生からもらった方法なんですけど、今、両足それぞれに半分ずつみかんを踏んづけてると思って、みかんの左側だけちょっと足を動かしたら戻す。それでまた半分まで踏む。今度、右側もちょっと動かしたらちょっとみかんが盛り上がるみたいなイメージで、ザラザラを感じながらミカンの踏んづけ具合をちょっと減らしたりしながら、滑ってもらうんです。そしたら、みんなスッゴイ綺麗にスムーズに曲がるんです。センシングを使うと、めちゃめちゃスムーズに曲がるんですよ。

センシングしてると、自分の自己イメージと、身体イメージ(実際の体の動き)が、結構リンクするようになります。

ゆっくり楽しむことが、究極の鍛錬

toiee Lab 亀田 :センシングのすごいところは、直滑降をしてるだけで、楽しいと感じることだと思います。飛ばすんじゃなくて、ゆっくりでも楽しめちゃうっていう。でも、そのゆっくり楽しむっていうことが、ちゃんと究極の鍛錬になるんですよ。センシングは本当にいい考え方で、体を動かすものを全てに工夫を考えて、センシング使ってもらうといいなと思っています。

toiee Lab 亀田 :西くんここまでで、何か質問はありますか?

toiee Lab 西 :いやあ、もう僕さっきも言った通りなんですけど、まさか感じるってことだけをすると思わなかったんです。感じて、プラス何かこうしなさいっていう方法があると思っていたんす。基本的には、そうじゃない。さっきもみかんの話ありましたけど、みかんがある想定で感じてみてっていう。あくまで、やることは「感じることだけ」っていうのが、すごい衝撃でした。

toiee Lab 亀田 :良い視点だね。ラーニングデザイナーだね(笑)つまり、感じるための、その先に枠を用意しておいて、枠の中でちゃんと感じることで、その目的を達する状況を作ってあげるって感じかな。

パラレルのときは、キャスターってコロコロあるじゃないですか。あのコロコロが踵の内側と外側と、親指の付け根と小指の付け根についているイメージをするんです。パラレルターンをするときは、外側のターンのときに足の内側(親指の付け根の部分と、踵の内側のキャスター)に、二輪走行で乗るみたいなイメージするんです。

だから、フレームがさっきにちゃんとあって、そのフレームの中で感じるっていうものをやると自然とできちゃうっていう。

toiee Lab 西 :すごいっすね。そこのメンタルモデルを上手に作ってあげるっていうのが、ミソなんだなと思いました。

センシングを使えば、ハウツー本も役に立つ?!

toiee Lab 亀田 :そうそうそうそうそうそう(笑)。だから、センシングっていうのは、すぐ取り入れられるけど、早く上達したり、高度な技っていうのは、その先人の知識を活用したフレームを作って、そのフレームの中で感じるっていうのが大事

センシングができたら、ハウツー本とかがめっちゃ役に立つ。いろんなハウツーがあったらそのハウツーをただやるんじゃなくて、センシングを使って取り組むっていう、学び方するといい

この辺の話は、長くなるので、次回していきたいと思います!

では、次の音声で!